「なんだか最近、ずっと体調が優れない…」
「病院で検査しても、特に異常はないと言われる」
「原因不明の頭痛や肩こり、胃の不快感に悩まされている」
もし、あなたがこのような心当たりのない体調不良に悩んでいるとしたら、その原因は意外なところにあるのかもしれません。
それは、あなた自身も気づいていないかもしれない**「怒り」**の感情です。
怒りは「悪者」ではない。でも…
私たちは子供の頃から「怒るのは良くないこと」「我慢しなさい」と教えられて育つことが多いものです。そのため、イライラしたり、カッとしたりしても、「こんなことで怒ってはいけない」と自分の感情に蓋をしてしまいがちです。
しかし、怒りは恐怖や悲しみと同じ、人間にとってごく自然な感情の一つです。危険から身を守ったり、自分にとって理不尽な状況を打開したりするための、大切なエネルギーにもなり得ます。
問題なのは、その怒りを**「抑え込み、溜め込んでしまう」**ことです。
行き場を失った怒りのエネルギーは、消えてなくなるわけではありません。
それは、じわじわとあなたの心と体を内側から蝕んでいくのです。
溜め込んだ怒りが引き起こす、心と体への影響
怒りを感じると、私たちの体はストレスホルモンである「コルチゾール」や「アドレナリン」を分泌し、交感神経が優位な「戦闘モード」に入ります。
血圧は上昇し、心拍数は速くなり、筋肉は緊張します。
これが一時的なものであれば問題ありません。
しかし、怒りを常に抑圧し、慢性的にストレスを抱えていると、この「戦闘モード」が日常的に続いてしまうのです。
その結果、
- 高血圧、動悸、不整脈などの循環器系の疾患
- **胃痛、過敏性腸症候群(IBS)**などの消化器系の不調
- 緊張性頭痛、慢性的な肩こり、腰痛
- 免疫力の低下によるアレルギーの悪化や感染症リスクの増加
- 不眠症、うつ病、不安障害などの精神的な不調
など、さまざまな形で体調不良や病気として現れることがあります。
長年にわたって蓄積された根深い怒りが、気づかぬうちに深刻な病状の根本原因となっているケースは、決して少なくないのです。
大切なのは「コントロール」。怒りと上手に付き合う方法
では、どうすれば良いのでしょうか。
答えは、「怒りを抑える」のではなく、**「上手に発散させ、コントロールする」**ことです。
怒りをゼロにする必要はありません。
そのエネルギーを、自分を傷つけない、他者を傷つけない健全な形で解放してあげることが重要なのです。
今日からできる、怒りのコントロール法をいくつかご紹介します。
- 自分の怒りを「認める」
まずは「あ、私、今怒っているな」と自分の感情に気づき、認めてあげましょう。「こんなことで怒るなんてダメだ」と否定する必要はありません。客観的に自分の感情を認識することが、コントロールの第一歩です。 - 一時的にその場を離れる
カッとなったら、6秒だけ深呼吸をしたり、その場から物理的に離れたりしてみましょう。怒りのピークは長くは続きません。クールダウンの時間を意識的に作ることで、衝動的な言動を防ぐことができます。 - 言葉にして書き出す
何に、なぜ怒っているのかを、誰にも見せないノートに書き出してみましょう。感情を可視化することで、頭の中が整理され、客観的に自分の状況を見つめ直すことができます。 - 健全な発散方法を見つける
運動で汗を流す、カラオケで大声を出す、信頼できる友人やカウンセラーに話を聞いてもらうなど、自分に合った発散方法を見つけましょう。大切なのは、自分も他人も傷つけない方法であることです。
今一度、あなたの心に問いかけてみてください
- 最近、どんなことにイライラしましたか?
- 理不尽だと感じても、笑顔でやり過ごしたことはありませんか?
- 「どうせ言っても無駄だ」と、諦めて飲み込んだ言葉はありませんか?
もし、思い当たることがあれば、それはあなたの心が発しているサインかもしれません。
怒りは、決してネガティブなだけの感情ではありません。
それは、あなたが自分自身を大切にし、より良く生きたいと願うエネルギーの表れでもあります。
自分の感情、特に「怒り」と真摯に向き合うこと。
それが、原因不明の体調不良から抜け出し、心からの健康を取り戻すための、大きな一歩となるはずです。

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