・インタビュー


 

東京高等裁判所長官を退官後、沖縄に移住されて沖縄で随筆に励まれている随筆家 ゆたか はじめ氏79歳のインタビューから抜粋させていただきました。

 

「発想に壁を作らず、最善を尽くせば、定年後も思わぬ喜びが待っています」

 

「判事というのは、生真面目であればあるほど胸が詰まって、毎日が本当に辛い仕事です。しかも、常に200~300件の訴訟を抱えていますからね。僕も地方裁判所の民事をやっていた頃は200件ぐらい、刑事の時は150件ぐらい持っていた。高等裁判所では100件ほどに減りましたが、地裁は心身ともに過酷です。ある法廷では、傍聴席から刃物を持った男が突然飛び出してきて、包丁を突きつけらたこともありますよ。その時は、あやうく身をかわしてたすかりました」

「判事時代は、実に過大なストレスがかかる毎日でしたが、僕の場合は割りと上手に楽しめましたね。コツは仕事を離れたら、もう思い悩まないで忘れてしまうこと。心の切り替えが大事です。その点、趣味が多いほうでしたから、気持ちの切り替えはうまかった。その趣味の最もたるものが鉄道旅行で、僕は判事になって間もない頃から、時間を作ってはローカル線で日本全国を回りましてね。“おかげで汽車ポッポ判事” なんて呼ばれていました(笑)。乗っている間は、裁判のことは一切忘れて列車の旅を楽しむ。都合30年かけて、全国のJR2万1000㎞、私鉄や地下鉄、モノレール、ケーブルカーまで、ありとあらゆる路線を乗り尽しました」

「判事には夏に休廷期間というのがあって、当時は僕も10日ほど休暇をとれましたから、その休みを全て使いました。通常は土曜日の昼まで仕事をして、午後から発つ。その頃は夜行列車の本数が多かったので、夜行で旅に出て、月曜日の早朝に東京駅に帰り、そのまま法廷へ直行なんてこともありましたよ。日本の鉄道は、ほぼ時間通りに走ってくれるので、裁判に穴を開けたことは一度もありません。その代わり、駅のベンチで夜を明かしたことは、しょっちゅうありましたけど」(笑)

「他の判事さんと違うといえば、例えば判決文です。僕はできるだけ法律用語を使わず、より短く書くことを心がけました。高裁の裁判長をしていた頃は、ほとんどが署名を含めて2枚で終わっていた。長くても15枚程度。電話帳のような分厚い判決文は書いたことがありません(笑)。

若い頃は、裁判官が心血を注ぐ判決文は、一字一句おろそかにしてはいけないと教わってたし、自分でもそう思っていました。でも、心血を注ぐべきは判断であって、判決文を書くことではない。判断が決まったら、誰が聞いてもわかるよう、簡潔に書くのがいいと気が付いたんです

「琉球王国というのは何百年も栄え続けた独立国で、しかも武力には全然頼ってこなかったのです。日本では戦争放棄をうたった憲法9条が云々されますが、琉球王国は条文こそ持たないけれども、はるか昔から戦争放棄を実践してきている。この事実は僕にとってものすごいカルチャー・ショックでした。平和というのは条文の問題じゃない、こころの問題だとつくづく思いましたね

沖縄の方言のひとつに、『御万人』 と書いて “うまんちゅ” と読む言葉があります。これは庶民のこと。琉球国王が庶民を呼ぶ時に “御” の字を付けていたのです。こういう国が他にあるでしょうか」

「今日の沖縄は明治12年までは完全な外国で、戦後も30年近くはアメリカだった。その意味でも、ここは言葉の通じる外国です。実際、物の考え方などは本土とは違います」

沖縄の人は、非常に世界的な視点で物事を考えますね。その点、大和の人間は日本の中だけで物事を見て、外国との関連というものを考えない。沖縄の人のほうが、はるかに国際人です。どんな小さな島に行っても、おじい、おばあの口から15分以内には、必ず何か外国の話が飛び出しますよ」(笑)

 

→今後の目標をお聞かせください

「人生の設計図は、とくに書いていません。書かないほうが、むしろいい。あまりに綿密に目標を立ててしまうと、ひとつ駒がくずれたら全てダメになっちゃう。それよりは自然に任せて、思いがけない展開を楽しむ。沖縄の言葉でいえば、 “なんくるないさ” 意味は、何とかなるさ。それも投げやりではなしに、必ず将来が明るく開けてくる期待を込めた、前向きな生き方です。」


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